介護職として従事した人が、一度離職したあとに介護職に再就職する際は、再就職準備金の制度を受けることができます。この制度を利用するにはいくつかの条件があり、介護職としての実務経験が1年以上（実務日数が180日以上）、介護福祉士の資格や実務者研修などの研修を受講していることが必要です。その上で、再就職の際に「再就職準備金利用計画書」を都道府県の福祉人材センターに提出し、審査の後に給付が開始されます。
しかし、この制度には注意点があります。それは、この制度による給付が「貸付」であるという点です。つまり、この制度はある種の借金であり、基本的に返済が必要なものだということです。この制度による貸付は無利子なのですが、借金を負うことに抵抗がある人もいるのではないでしょうか。
しかし、この貸付金はある条件を満たすことで返済が不要になるのです。その条件は、「介護職員として再就職後、継続して2年間以上勤務すること」になります。それ以外の条件はありませんので、再就職後2年間働きさえすればよい、ということになります。
もちろん、職場環境や人間関係、その他個々人の事情によって2年間働けず、返済が必要になったというケースは0ではないですが、それでも一般的な借金や自腹を切ることに比べれば、無利子で一時的な費用を借りることができるこの制度は、利用した方がはるかに得です。少なくとも損をすることはないので、再就職を検討している人、介護職と他の職業で悩んでいる人は、この制度のことも検討材料として参考になるでしょう。